目標を公言するだけで、達成しやすくなる?!

この記事をおすすめする人

・目標を立てたけど、なかなか達成できなさそうな人
・目標を達成したい人

今回は「目標を公言するだけで、達成しやすくなる?!」を説明していこうと思います。

貯金を65%増やす方法がある

みなさん、お金を貯めやすくする方法をご存知ですか?

その方法とは?

なるべく大勢の人に公表する
               ということです。

チリの経済学者フェリべ・キャストとハーバード大学のダイナ・ポメランズらが行った有名な実験があります。自営業の人に貯金をしてもらう実験で、あらかじめ貯金の目的と金額を公表した場合と秘密にした場合とでは、公表した場合の方が貯金額が平均65%も増えることがわかりました。つまり、公表しないで100万円貯められる人は、目的と金額を公表すると165万円ほど貯められることになります。

人は、自分が世間に公表した言葉や決断にこだわり、そのために努力することがわかっています。ダイエットや資格勉強も、公言したほうが成功率は高まります。理由はいくつか考えられます。行動と気持ちに整合性を持たせようとする脳の働きもありますし(認知的不協和)、失敗したら恥ずかしいと思う心理も働くことになりますよね。また、大勢の人に知られることで、脳がそれを重大なことだと受け止め、「無意識」の力を借りることもできるはずです。

何かになりたい、何かに勝ちたいといった目標でも、公表したほうが成功率が上がる事がわかっています。

「夢は秘めておいたほうが良い」という人もいます。がしかし、哲学者のウイリアム・ジェームズの言葉「秘めたままいるとやがて枯れてしまう」。この言葉を聞いた僕はまず、家族に目標を公言しました。

この人は現代心理学の開祖とも言われている人物で、「人間の行動は感情にフィードバックされている」という事実を世界で最初に指摘しました。つまり、夢を達成したり、何かを成し遂げたいと思うのなら、まず行動して、常に「自分は夢に向かって頑張っている」とか「もうすぐ夢が達成できそうだ」という感情を脳にフィードバックしないとモチベーションは続かないというのです。

書くことは信じるということ

人前で宣言した言葉や内容にこだわってしまう習性は、目標達成に限りません。

ある心理学者が行った有名な実験に、「ひもの長さを予想する」という実験があります。この実験では、3つのグループにひもを見せて、その長さを予想してもらいました。Aのグループには、全員に髪を配り、そこに予想した長さを書き、署名した上で提出してもらいました。Bのグループの人には小さなホワイトボードをわたし、そこに予想した長さを書いて、すぐに消してもらいました。Cのグループには頭の中で予想してもらうだけで、何もさせませんでした。

その後、全員に「予想したひもの長さは間違っていました。」と伝え、反応をみました。すると、Cグループの人たちが最も早く自分の答えを撤回し、間違っていたことを認めました。2番めに認めたのはBグループで、Aグループの人はなかなか自分の答えを撤回しませんでした。Aの人は署名入りで答えを提出しているため、それとの整合性に最後までこだわったものとされています。

書くことは信じることです。この原理は、実は社会でよく使われています。

例えば、心理学のエドガー・シャインが研究している、かつて中国において米軍捕虜に対して行われた洗脳手法があります。まず、捕虜に「資本主義は完全ではない」という文章上に書き写して、署名させました。「書き写すだけなら何でもない」と多くの捕虜がこれに応じましたが、これが後で大変なことになります。この文書を、他の捕虜の前で読み上げさせたのです。書き写しただけとはいえ、自分が書いて署名したものを仲間の前で繰り返し読むことによって、捕虜達は、自分の行動と矛盾しないように自分の心を入れ替えていったのです。この洗脳は驚異的な成果を生み、戦争が終わっても米国に帰りたくないという兵士が出たほどです。

例えば、携帯電話を買うときなど、販売契約書が何枚もあり、名前や住所を何度も欠かされた経験はありませんか?複写で済むと思われることまで、全て手書きで書かせますが、あれはわざとそうさせているのです。

名前や住所や注文した数量などを本人の前で書かせると、返品率が下がることが変わっています。書くことは信じること。つまり、自ら書いて、納得の上で署名したという事実を強く意識させると、返品やクレームがしづらくなってしまうのです。

まとめ
・目標を公言すると、達成率が高くなる
・紙に書くことによって、自分の行動と矛盾しないようになる